京都・大阪の残業代請求なら実績豊富な当事務所へお任せください。

京都第一の強みと実績

アリさんマークの引越社(引越社関西)に対する残業代請求 (5/5)

◆訴訟の進行と解決

(1)訴訟の進行

訴訟では、上記の債務不存在確認請求に加えて、追求の結果分かった賃金体系をもとに、勝手な減額により控除された賃金、固定残業代を無効であることを前提にした多額の残業代請求、天引きされた「弁済金」等の請求を行いました。

特にZ社を通じた勤務については、労働者派遣の前提が成り立たない(労働者派遣法は労働者と派遣先ユーザー企業の間に労働契約が存在しないことが前提となっていますが、Xさんは派遣先引越社関西の従業員なので、労働契約が存在します。)ため、派遣関係全体を無効として、Z社を通じた労働についても、未払残業代全額を引越社関西に対して請求するとともに、Z社に対しても中間搾取の共同不法行為の責任を問うために、本来支払われるべき賃金と実際の支払額の差額を請求しました。

(2)解決

訴訟は最後は和解交渉となり、「借用書」記載の借金を帳消しにし、残業代250万円を支払わせる和解が成立しました。

最初、Xさんのお話を伺ったときは状況がつかめず、先が見えない中で提訴に踏み切らざるを得ませんでしたが、Xさんも、弁護団も頑張った結果、満足のいく結果が得られました。しかし、Xさんと同じ目に遭っている多数の労働者がいることは見逃せません。そして、このような賃金不払いを組織的に行う企業がのさばると、比較的まともな賃金を支払っている企業が価格競争で敗れ、「悪貨が良貨を駆逐する」状態になります。その先にあるのは労働条件の更なるブラック化です。大きな運動で、このような状態を根底から是正していく必要も感じました。